稀勢の里ありがとう

稀勢の里が引退した。久しぶりの日本人横綱ということで活躍を期待していただけに、残念だという思いと、角界を盛り上げてくれた功労者におつかれさま、ありがとうの言葉を送りたい。

一片の悔いもありません。やりきった気持ち。

そう涙ながらに語った横綱。稀勢の里は言葉こそ少ないが、その立居振舞はまさに横綱にふさわしいと感じます。土俵の外で騒がしい横綱が目立っていた昨今、稀勢の里の存在は貴重でした。

一片の悔いなし。ラオウですね。横綱も北斗の拳読んでいたに違いないとニヤリとさせられました。横綱のプライベートが垣間見える貴重なひと言ではなかったでしょうか。

大胸筋断裂という大怪我で、まさに土俵に立つのもやっとだったのではないでしょうか。肩をバンテージでぐるぐる巻きにしながら優勝した場所が、やはり横綱の引退を早めてしまったようにも思います。

柔道の井上康生氏が同じ大胸筋断裂だったそうで、横綱が手術すればもっと活躍できたという話が新聞にあがっていました。そういう道もあったのでしょう。手術して復帰にどのくらいかかるかはわかりませんが。

横綱という地位が現役力士の時期を縮めてしまうという皮肉な結果です。力士もスポーツ選手であるという考えからは、手術して万全の体制で復帰すればよいのです。

休みすぎたり負けすぎたりすると引退しなければいけないという横綱の立場は本当に厳しいですね。活躍し続けなければいけない。選手には多少なりとも好不調の波があるはずです。

これまで17年の現役力士生活に終止符を打った稀勢の里関。今後はやはり後進の育成を考えているようです。

親方となって、怪我に強い力士を育てたいと語った横綱ですが、休ませるときには休ませて、長く活躍できる力士を育てたいという思いもあるのではないでしょうか。

無理をさせるのは良くありません。怪我を押して気合いと根性で出場したことで、稀勢の里の引退が早まってしまったことは、ご本人も思うところがあるのではないでしょうか。

メジャーリーグの球数制限のように、角界にもスポーツ科学が浸透してくれれば、もっと横綱稀勢の里の活躍が見れたのではないかと、残念な気持ちもあります。

とりあえず、ゆっくり休んでください。稀勢の里関、本当にありがとう。

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